救急救命士という資格がなかったころ、救急車に乗務する救急隊員に許可されていた救急処置は、口移しによる人工呼吸や、手を胸に押し当てて行う心臓マッサージなど、簡単な救命処置に限られていました。
医療行為は医師しかしてはならないという医師法などの規制もあって、救急隊員が救急処置ができず、救えたはずの命が救えないことがありました。
そんな中、フジテレビの黒岩祐治キャスターが、「救急隊員は医療行為をできない」ということを知り「救急医療キャンペーン」を始めたのが、救急救命士誕生のきっかけになりました。
「救急隊員が医療行為をできない」なんて、一般人からしてみれば驚きですが、その当時は当たり前だったのです。なんてばかげたことでしょうか。
黒岩さんは、海外の救急救命士を紹介し、救急医療キャンペーンを行ないましたが、その救急医療キャンペーンに対して反対したのが、日本医師会だったそうです。
その後、救急医療キャンペーンの熱意は、国会や厚生労働省、消防庁を動かしました。そして、救急救命士法案が成立し、救急救命士が誕生したのです。
救急救命士法が成立したのは、平成3年(1991年)4月23日。
救急救命士国家試験第1回は、平成4年(1992年)に行なわれました。
まだ誕生して20年ほどしか経っていない新しい資格なのです。
救急救命法が誕生したことにより、従来は医師しかできなかった救命処置が救急救命士の資格を持った救急隊員も行えるようになりました。その結果、心臓発作や交通事故などによって心肺停止した患者への救命率が上がったと言われています。
